精神障害者保健福祉手帳について
「精神障害者保健福祉手帳」は、長期間にわたり日常生活や社会生活に制約のある精神障害を持つ人々を支援するための証明書です。この手帳は、年齢制限や在宅・入院の区別なく、日常生活に長期的な制約を受けている人々を対象としています。手帳の申請には、初診から6か月以上が経過した段階での診断書が必要です。
手帳の申請は、居住地の市町村の窓口で行われます。申請時の担当課は市町村によって異なる場合があります。通常は、本人が申請を行いますが、本人ができない場合には家族や医療機関関係者などが代理で申請することもできます。申請は専門医師からなる検討委員会で審査され、手帳が交付されるかどうかが判定されます。
この手帳を持つことで、精神障害を抱える人々はさまざまな支援を受けることができます。手帳の保持者は、医療や福祉サービスへのアクセスが容易になり、経済的な支援や雇用の特典なども受けることができます。
<等級と判定基準> 等級 判定基準 1級 精神障害があって身のまわりのことがほとんどできないか、日常生活に著しい制限を受けており常時援助を必要とする程度のもの 2級 精神障害があって日常生活もしくは社会生活が著しい制限を受けるか、又は著しい制限を加えることを必要とする程度のもの 3級 精神障害があって日常生活もしくは社会生活が制限を受けるか、又制限を加えることを必要とする程度のもの
僕が精神障害者保健福祉手帳を取得することになった経緯
過去にいじめや人間関係のトラブル、家族間の問題などを経験し、それによって社会生活が困難になりました。長い間放置していた、心の健康に関するサポートを受けるために20年ぶりに精神科を受診し治療を受けていました。最初は個人の医院に通院し、主に症状を聞かれて薬が処方されるという形式で治療が行われていました。しかし、時間が経っても状態には改善が見られず、薬の量が増える一方でした。この状況に悩んでいたところ、家庭の問題が発生しました。
そんな中、ある家庭の問題が発生し、愛知県のメンタルヘルスに関する相談窓口に助言を求めました。そこで、しっかりとカウンセリングを受けることができる、経験豊富なスタッフがいる病院へ転院したほうがいいと助言を頂き、地元に近いところを紹介してもらい、問い合わせを行うことにしました。

精神病 悩む(※イメージ)
主治医との出会いがきっかけ
現在の主治医とは、もう4年以上のお付き合いになります。当時、主治医は副院長として就任したばかりの頃で、その時に初めて診察を受けました。いまだに、自分にはできないことや苦手なことがあり、苦労もありますが、初期の頃と比べて絶望的な考えや自己肯定感の低さによる自己否定が減ったように感じます。
私は主治医のいる病院にバスで通院していますが、片道で300円かかります。しかし、精神障害者保健福祉手帳を持っていれば、バス会社が半額を負担、さらに自治体も半額を負担してくれるので、実質的には無料になります。最初は週に1回の頻度で通院していましたが、バスに乗ることが難しかったため、1時間以上かけて自転車で通院していました。主治医からは障害者保健福祉手帳の取得を勧められましたが、障害者保健福祉手帳の取得にはかなりの抵抗がありました。
障がい者と認めることができなかった
精神疾患の治療のために通院していましたが、主治医から精神障害者保健福祉手帳の取得を提案されました。しかし、私は取得に対して抵抗感を抱いており、すぐに返事をすることができませんでした。両親も私の精神科への通院には最初は否定的な態度をとっていました。自分自身が障がい者として認めることに対して、得体のしれない恐怖感のようなものがあり、本当に苦労しました。今以上に世間体や奇異の目でみられる、また余計に衆目を集めてしまうのではないかという不安など。もし今の主治医との出会いがなければ、私は精神障害者保健福祉手帳を取得しなかったと思います。

障害者手帳とヘルプマーク(※イメージ)
精神障害者保健福祉手帳を取得してよかった
良かったと思うのは、僕自身が自分はハンデを抱えているという認識ができるようになったことでしょうか。人によって価値観の違いや、考え方の違いなどがあるため一概に言えないとは思います。僕自身は障がいを抱えているということを認めること、そこから仕切り直せたのが一番大きかったかなと考えます。今ではヘルプマークやイヤホンをつけていれば、なんとか公共交通機関での移動もできるようになりました。主治医に最初にすすめられたときは本当どうしようかなとか思っていましたが、主治医と相談し実際に取得して今はよかったなと思っています。
名古屋市の手帳割引サービスを紹介していく予定
名古屋市には精神障害者保健福祉手帳で割引を利用できるサービスが色々あります。なかなか知らない人と話すのは僕が一番苦手としているところなのですが、色々なことに挑戦して割引サービスを実際に利用させて頂いた感想などを紹介していければと思います。同じように障がいを抱えて苦労している人たちに少しでも僕自身が寄り添えるように758.jpを運営していこうと考えています。
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